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筆記具のこと

あなたのお気に入りの筆記具は何でしょうか。

ひとくちに筆記具といっても、鉛筆、ボールペン、万年筆、マーカー、筆ペン、ガラスペンなど、多種多様です。ステーショナリーショップの筆記具コーナーには、選びきれないくらいの筆記具が所狭しと並んでいます。書き心地の好みも人それぞれ、スペックだけでは測れない、感覚的で繊細な差です。いくら人から筆記具を薦められても(たとえ信頼し尊敬する人であっても)、こればかりは実際に書いてみないと分からない。お気に入りの1本があるのは、とてもラッキーな人生かもしれませんね。文字やイラストを書きたくなる筆記具は、Quality of Lifeを上げてくれる道具のひとつ。毎日使うお箸のようなものなので、これはと思う筆記具があったら投資するのもいいのではないでしょうか。弘法でないから筆を選びたい!

ぼくにもお気に入りの筆記具が何本かあります。甲乙付け難く、どれも等しくお気に入りですが、好みの傾向はあるようです。線は太字が好み、自分の拙い字を誤魔化してくれるような気がするから。ある日、娘から「わたしは太字好き」と言われた時は、筆記具の好みまで遺伝するのかしら…とびっくりしたのを憶えています。インクフローは滲むくらい多い方がよくて、これは少しでも力を入れずに楽に書きたいという不精な気持ちから。色については、インクは黒かブルー、ペン軸は黒かシルバー。いずれも色気がなく無彩色なのは、有彩色をコーディネートする自信がないとも言える。こうして書いてみると、ぼくの保守的な性格が露わになったようで、何だかつまらない男ですね…やれやれ…

部屋を整理していたら、自然に集まっていたたくさんの鉛筆が目に留まり、ペンスタンドにまとめてみました。これをきっかけに、しばらくは鉛筆を意識的に使ってみようと計画中。そういえば、映画『The Ozu Diaries』には、小津安二郎が書いたダイアリー(イギリスのLETTS製)が出てくるのですが、文字は鉛筆書きでした。削られていく鉛筆の姿もいいし、握れないくらい短くなった鉛筆も捨てられません。鉛筆の削りカスを「きれいだなぁ」と、しばし呆然と眺めてしまうこともあります。

カラーインクを嗜むような、遊び心のある男への道は、こうしてさらに遠のくのです。
Write the world!