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「ハルが来るって」 鋳金家 本山ひろ子さんの作品をご紹介

鋳金(ちゅうきん)とは、金属を溶かしてあらかじめ造っておいた型に流し込み、その型と同じ形を製作する技法です。日本においては弥生時代以来、銅鐸や鏡などの青銅器や、仏像などの像、湯釜や鉄瓶、花器、水差しなどの制作に用いられてきました。その工程は多岐にわたり、それぞれ専門の職人の手によることが多いのですが、本山さんは最初の原型作りから完成品までの全工程を、自らアトリエで行うことを信条とする作家さんです。制作風景を見せていただきましたが、ほんとうにたいへん。でも、蜜蝋がやがて金属の塊に生まれ変わる様は、感動的ですらありました。

【制作の様子はこちら】→ https://youtu.be/ZgE4OJAp1zE

「蝋を練って」→「型を作って」→「窯を立てて」→「型を焼いて」→「火の神様にお願いして」→「コークスを熱して」→「地金を溶かして」→「鋳型に流し込んで」→「型を割って」→「モノを取り出す」

主な作品は、身の回りにいる動物や植物たち。「それらが何かを気付かせてくれた時、その一瞬を形に留めたい」という想いが制作の原動力です。本展示では、雪原を歩む山羊たちの姿を通して春の到来を表現しています。「季節の変化を誰よりも早く彼らは感じ、準備をしている。彼らはいつも私よりちょっと先を歩いて、色々な事を教えてくれるのです。」というのが本山さんのことば。
作品に使用している金属は銅と錫の合金であるブロンズです。金属の中でも柔らかな素材で、日々触れることで手の油が付いていくと、徐々に独特の艶がでてきて味わいが増して行きます。遠くから眺めるだけではなく思わず撫でてみたくなる、そのようなぬくもりと少しのユーモアを感じさせてくれる、本山さんの作品をご紹介します。

展示販売期間
日本橋髙島屋S.C.店:2019/1/30(水)~2/19(火)
※最終日は午後5時閉会です。

本山ひろ子 鋳金家
1975年千葉県生まれ。
2003年東京芸術大学大学院鋳金専攻修了
2000年より展示会への参加。数多くのグループ展、個展を開催。
受賞歴 2001年 内藤春治賞 取手市長賞