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紙のこと その4

紙はしばしば洋紙と和紙に大別されます。では一体、和紙とは何でしょう。

和紙の定義は、実はとても難しいです。素材と製法と、2つの視点からの定義が可能ですが、それがかえって混乱を招いています。あえて言うなら「日本古来の製法に基づいてつくられた紙」、長繊維なので強いことが特徴です。狭義では、素材は楮・三椏・雁皮、製法は手漉き(「流し漉き」と呼ばれます)。つまり、日本古来の伝統的な素材と製法で漉かれた紙のこと。広義では、素材は木材パルプ、製法は機械抄きでもOK。つまり、伝統的な製法※に倣い改良して抄いた紙のこと。(※古来、手漉きから始まった和紙は、漉いた後に板に貼り付けて乾燥させるため、貼り付けた面がスムースになり、もう片方がラフになります。これが伝統的な製法です。そうした和紙の風合いを残す「ヤンキードライヤー」と呼ばれる抄紙機の乾燥工程が開発され、現在に至ります。)

昨今では、広義が主流です。これは「和食とは何か」ということと似ています。狭義の和紙はいわば懐石料理のようなものですが、もちろんそれだけが和食ではありません。もともとポルトガルからやってきた天ぷらが日本食であることに異論がある人はいないでしょうし、ラーメンやカレーライスもいまや国民食になって久しい。広義の和紙もそんな風に捉えるといいと思います。ちなみに、日本国内の和紙の生産量は、紙全体のわずか0.3%に過ぎないとも。日本酒が世界の”SAKE”になったように、もっと”WASHI”が広く世界中で使われるようになってもいいのに…と感じています。

一方、洋紙とは何でしょうか。紙をつくる技術は、610年に高句麗より日本へ伝来しました。平安時代に紫式部が源氏物語で使っていたのは越前和紙(2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』ではその美しさが印象的でした)。その後、日本全国各地で紙がつくられましたが、すべて基本的には手漉きです。江戸時代まで、紙はいまでいうところの和紙でした。18世紀末から19世紀初頭にかけてヨーロッパで確立された機械抄きの技術が日本に導入されたのは明治時代初期、三井財閥の支援を得て渋沢栄一による抄紙会社(のちの王子製紙)からスタートしたのものです。原料も楮・三椏・雁皮から、破布・稲藁を経て、木材パルプへと変わっていきます。これが日本における洋紙の誕生。王子駅の近く、かつて王子製紙 王子工場の跡地に「洋紙発祥之地」の碑もあります。果たして、洋紙の定義は「和紙以外の紙すべて」になるかもしれません。

和と洋とに関わらず、どちらの紙もそれぞれいい!
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紙のこと その1
紙のこと その2
紙のこと その3

T&Fが大切にしている素材については、こちらもご覧ください。
https://www.touch-and-flow.jp/wp/about/product/

和紙を使った 10th JOTTER はこちら。
https://www.touch-and-flow.jp/wp/news/news311/